2009年10月01日

'Round About Midnight/Miles Davis Quintet

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秋分も過ぎ、秋の夜長の季節となってきましたね。

さて本作は、時代により変遷するマイルスの経歴の中でも初期にあたる「ハード・バップ」の時代を代表する作品で非常に完成度が高い名演です。

アドリブ1本で勝負するビ・バップと比べ、ハード・バップは曲の構成・アドリブの配置など形式的なものに配慮し、少々乱暴な言い方かもしれませんが幅広い聴衆層を意識した音楽と言えるでしょう。

私見ですが、「ジャズ」というとこの時代の演奏スタイルを指していることが多いように感じます。いずれにしても、「ハード・バップ」はジャズの代表的なスタイルであることに間違いはないでしょう。


さて、前置きはここまでにして「'Round About Midnight」です。

曲、そしてアルバム全体の構成・演出ひとつひとつに緻密なこだわりを見せる、いかにもマイルスらしいひとつの「作品」といえる出来栄えです。

特に表題曲の「'Round About Midnight」は、コルトレーンのテナーの低く抑えたブローをバックに、マイルスのミュートトランペットが美しくまさに「'Round About Midnight」のミステリアス雰囲気を醸し出しており、マイルスを中心に盛り上がるテーマ部からコルトレーンのソロへとつなぐ部分は絶品!です。

一説によるとギル・エバンスのアイデアを拝借したとの話もありますが、見事なアレンジ・演奏です。

また、脇役レッド・ガーランドのピアノもいつもながらいい味をだしており、マイルス・バンドでのガーランドの演奏にはハズレがないと言ってよいでしょう。

相方コルトレーンが上手くなっているのも興味深いところで、1955,56年というへぼテナーから急成長する時期の演奏は要注目です。

秋の夜長、マイルスのミュートは真夜中によく似あいます。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆

データ
posted by パンチ at 20:13| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) |  Miles Davis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月21日

INTERPLAY/Bill Evans Quintet

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私は、ビル・エバンスの良さは、繊細で透明感あふれる美しいタッチ、そしてそこから紡ぎだされる時に優しく、時に激しい、まるで神が乗り移ったかのような美しいピアノのアドリブだと思っています。

そして、そんなエバンスの最高傑作とも言われるのが、以前このブログでも紹介した「Waltz for Debby」や「Explorations」をはじめとしたスコット・ラファロ、ポール・モチアンとのトリオによる演奏です。

このトリオはラファロの死により突如終焉してしまい、エバンスはしばらくリーダー作を発表することができなくなってしまうのですが、本アルバムはそんなエバンスの再出発の年に録音されたものです。

キラキラと美しく輝くトリオの時の演奏とは異なるのですが、本作はなにか人間ビル・エバンスを身近に感じさせてくれる私のお気に入りの1枚です。

リリカルなジム・ホールのギターはエバンスのピアノと実に相性がよく(エバンス&ホールのデュオ作「UNDERCURRENT」)、このアルバムに独特の雰囲気を加えていますし、フレディ・ハバードも緊張感ある若々しいソロを披露しています。

なかでもオススメは5曲目の「Interplay」です。
エバンスにしては珍しい彼の作なるブルースですが、ジム・ホール、フレディ・ハバードの渋い演奏と、そしてなによりトリオの時とは一味違う、胸がギュッと締めつけられるかのようなエバンスのピアノに深い余韻が残る1曲です。

他のスタンダード曲もいずれも粒ぞろいです。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆

データ
posted by パンチ at 21:06| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) |  Bill Evans | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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