2009年10月21日

LEFT ALONE/Mal Waldron

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今回は、ジャッキー・マクリーンの「泣きのアルト」があまりにも有名なマル・ウォルドロンの「LEFT ALONE」です。

マル・ウォルドロンの作品で、「マクリーンのアルトが有名」というのも何なのですが、胸に迫るような悲しみを湛えたアルトの音色がそう言わざるを得ないほどの圧巻の存在感です。

「LEFT ALONE」は、マル・ウォルドロンが伴奏をつとめてきた歌姫ビリー・ホリディを忍んだ追悼曲と言われており、生前彼女が歌っていた代わりをマクリーンが務めているのです。

その主役を失った深い悲しみが楽器を通してひしひしと伝わってきて我々聴く者の胸を打ちます。

現在の我々からすると想像を絶する人種差別の苦しみ、悲しみが凝縮されているようにも思え胸があつくなるのでしょうか。

このマクリーンを聴くためだけでも本作は買いと言えましょう。
(実際、私もそうです。)

そんな聴く者の心を揺さぶる名演なのですが、当のマクリーンは当時の演奏についてまったく覚えていないと言うエピソードもあるようで興味深いところです。

ちなみに本作、本場アメリカではまったく人気がないようです。
日本でこれほど評価されていることを考えると、音楽の嗜好に対する国民性の違いって随分あるんだなぁ、と感じます。


なお、本作でマクリーンが参加しているのは1曲目のみで他はピアノ・トリオの作品となっています。

しっとりとしたピアノの演奏で曲名通りの雰囲気が秀逸な「Catwalk」もオススメで、ベースのジュリアン・ユールが重厚な演奏でいい味を出してます。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆☆

データ
posted by パンチ at 20:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月11日

RAY BRYANT TRIO/Ray Bryant

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レイ・ブライアントを一言で表現するとセンスの良いピアニストといったことになるでしょうか。決して超一流とは言えないのかもしれませんが、愛すべきピアニストの一人です。

親しみやすくメロディアスなソロが身上ですが、MJQのジョン・ルイスを思わせる上品さ優雅さ、漂う哀愁、そして時折顔をのぞかせるソウルフルでスインギーなタッチ、これを曲によって見事に使い分けるセンスの妙は見事の一言です。

いずれも過剰でなく程良いのがセンスのよさを感じさせる秘密かもしれません。

本作は、そんなレイ・ブライアントの代表作と言えるアルバムで、メロディアスなアドリブが心地よく、リラックスして聴くことができるピアノ・トリオの名盤です。

なんと言ってもオススメは1曲目の「Golden Earrings」でしょう。
メロディアスで哀愁を帯びたメロディ、ソロが魅力的で、レイ・ブライアントと言えばこの曲と言っても過言ではないでしょう。

また、優雅で上品なタッチが光る2曲目「Angel Eyes」、メリハリをつけて軽快にスイングする4曲目「Splittin'」、本家MJQに勝るとも劣らない5曲目「Django」、メロディアスで優雅なアドリブが堪らない6曲目「Thrill Is Gone」、クリフォード・ブラウンの名曲の渋い演奏が心憎い7曲目「Daahoud」など、いずれ劣らぬ名曲揃いで珠玉の名演と言えましょう。

深まる秋にピッタリの1枚だと思います。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆

データ
posted by パンチ at 19:13| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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