2009年09月10日

NIGHT LIGHTS/Gerry Mulligan

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ここ数日、朝夕は涼しくなり大分過ごしやすくなってきました。

「過ぎ行く夏」と言えば、私にとっては井上陽水「少年時代」か、ラテンの名曲「カーニバルの朝(黒いオルフェ)」の都会的でおしゃれな名演を収録した、ジェリー・マリガン「NIGHT LIGHTS」です。

ジェリー・マリガンは、バリトン・サックスの第一人者で、その重低音を生かした豪快な演奏で有名な人です(ジャズのソロ楽器としてはややマイナーな存在ですが)。

しかし、本作ではバリトン、トランペット、トロンボーンの3管編成により、大人のテイストで美しいメロディーを優しく奏でているのが実に印象的です。

そんな優しく落ち着いた大人の演奏が秋の夜にピッタリくるのでしょう。

深みがある渋いバリトンの音色、優しい温かみを帯びたトランペット・トロンボーンのソロ、3管の美しいアンサンブル、そしてギターのジム・ホールのいぶし銀の絶妙なサポートが聴きどころです。

中でもオススメは、先にでてきた2曲目「Morning of the Carnival」(カーニバルの朝)、そこはかとなく哀感漂う4曲目「Prelude in E minor」あたりでしょうか。

ジャケットのデザインも秀逸で、部屋に飾っても映えますヨ!


初心者オススメ度 ☆☆☆☆

データ
posted by パンチ at 20:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

DIPPIN'/Hank Mobley

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前回の「GETZ/GILBERTO」の涼しげなイメージから一転、今回は暑いなら「その暑さを楽しもう!」的な趣のハンク・モブレーの「DIPPIN'」です!(あくまで私の主観ですがたらーっ(汗)

ハンク・モブレーは、jazzの歴史や評論家的見地からすると、お世辞にも評価が高いミュージシャンとは言いがたい存在です。

事実、完璧主義のマイルス・テイビスの創り出すMils World(Someday My Prince Will Come)では自分の居場所が見つけられず、萎縮しているような演奏がその評価を落としてしまっているのでしょう。

そんなモブレーですが、誰にも気兼ねなく演奏できる自らのリーダー作ではその本領を如何なく発揮しています。

モブレーの良さとは、(コルトレーンやロリンズのような)決してスーパーではないものの、それを補う人間味溢れる演奏スタイル、親近感、わかりやすさ、ゆるさなのではないかと思います。

その中でもとりわけハジケている本作。
何も小難しい事は考えずに、ビールでも飲みながら、「明日は仕事は休みだ〜」的ノリで聴くと100%楽しめることうけあいデス!

さて、なにはともあれ1番のオススメは2曲目「Recado Bossa Nova」でしょう。

自然と体が動き出すノリの良さ。
何処となく漂う哀感。
まさに日本人好みの1曲と言えるでしょう。
(実際に日本での人気は異常に?高いらしい)

あと、忘れてはならないのが、クルーでいて熱い(??)リー・モーガン。
最高にかっこいい!

「モブレーなんて所詮二流じゃん」などと言ってこれを聴かないのは勿体ないexclamation×2

初心者オススメ度 ☆☆☆☆☆


データ
posted by パンチ at 22:40| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月25日

GETZ/GILBERTO

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まったくもって久々、約2年半ぶりの更新です。
2年もほっておいて、よくこのブログ、生き残っていたものです。
まずは見ていただいている方々に感謝!です。


さて今回は夏らしく、ボサノバwithジャズの名盤「GETZ/GILBERTO」です。

内容は、ジルベルトのボサノバ・ワールドにスタン・ゲッツがjazzの香りを添えるといった趣のアルバムで、ジャズというよりはボサノバのアルバムと言うほうが正確かもしれません。

実際、ボサノバの名曲がズラリと並び、グラミー賞を受賞した本アルバムによりボサノバが世に広まったといっても過言ではないでしょう。

ボサノバ独特のリズムにクールでアンニュイなジョアンとアストラッドのボーカル、それに彩を加えるゲッツのテナーは、真夏の昼下がりにボ〜ッと聴いていると(ジョアンに怒られそうですが)リゾート気分満天の心地よさです。



ちなみに余談ですが、たしか5年前にシルベルト御大の来日公演を聴きにいったことがあるのですが、御大の変人?ぶりが印象的でした。

御大は空調がお嫌いということでエアコンはストップ。
やや蒸し暑い中、プログラムの最後の演奏が終わったところで、なんと御大が死んだふり?で動かなくなってしまいました!!

ぴくりとも動かずフリーズしてしまった御大に、アンコールの拍手を浴びせてもフリーズはとけず、どうしてよいか解らない我々観客はそのまま15分?くらい蒸し暑い会場で待ちぼうけを食らわされたのでした。

結局その後御大のフリーズも解け、やんやの喝采の中アンコール数曲の演奏がなされコンサートはなんとか無事?終了しました。

御大のフリーズがなんだったのかは判りませんが、フリーズ中のあまりの蒸し暑さに気持ちが悪くなった私は耐え切れずに外に出てしまいアンコールは会場の外で聴くはめになってしまいました・・・もうやだ〜(悲しい顔)


初心者オススメ度 ☆☆☆☆☆

曲目
posted by パンチ at 22:49| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月10日

BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH/Oliver Nelson

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今回は、アレンジャーとして誉れ高いオリバー・ネルソンの代表作「BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH」です。

こちらは全曲ネルソン作のブルースがずらりと並ぶブルース集となっています。

ただ、いかにも」といったブルースが並ぶのではなく、それぞれの曲にはネルソン流の味付けが施されており、曲によって趣がガラッと変わるところにこの人の懐の深さを感じます。

そして、そのアンサンブルの美しさはもちろんのことながら、このアルバムで特筆すべきはサイドメンの豪華さでしょう。

エリック・ドルフィー、ビル・エバンス、フレディー・ハバードといったそうそうたる顔ぶれが参加しており、そのソロは聞き応えがあります。

特に1曲目「Stolen Moments」は私のイチオシの名曲です。

海の底を思わせるような神秘的な雰囲気をもった曲で、エバンスが参加しているせいでしょうか?マイルスの「Kind of Blue」に通じるものを感じるのは私だけではないはずです。

入り方からしてむちゃくちゃカッコいいフレディ・ハバードのソロ、力強くうねるようなドルフィーのフルートソロは、都会的な洗練されたかっこよさが際立ちます。

そして、エコーを効かせ漂うようなアンニュイなネルソンのソロも一風変わっていて面白いのですが、最後にソロをとるエバンスのピアノが極めつけでしょうか。この曲にピッタリの雰囲気を作り出すその存在感は流石の一言で、そのソロの〆方に痺れます。

この1曲のためにこのアルバムを買っても損はない名曲です。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆
曲目
posted by パンチ at 11:43| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月14日

ALBERT AYLER IN GREENWICH VILLAGE/Albert Ayler

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今回ご紹介するアルバート・アイラーは、フリー・ジャズを代表するミュ−ジシャンです。

「フリーはちょっと」という方も多いとは思いますが、「どんなものか一度聴いてみたい!」といった好奇心溢れる方には、まずはこのアルバムがオススメです!

アルバート・アイラーは、強烈なビブラートを効かせた力強い音色で時に咆哮し、ベース他弦楽器を複数加えた集団即興演奏では無秩序・不協和な混沌とした世界を作り出し、既存のジャズといった観念を全てぶち壊してしまう破壊的な一面がある一方で、アイラーが奏でる哀愁を帯びたメロディーは素朴で親しみやすく、そのピュアな美しさには神々しさすら感じます。

アイラーの音楽には、言わば「破壊」と「創造」が同居しているように思えるのです。

肌が合わない人はダメだとは思いますが、感性が合う人はそれこそ「やみつき」になってしまうような不思議な力をもったミュージシャンと言えましょうか。

本アルバムは、そんなアイラーが残したアルバムの最高峰とも言えるもので、私の大好きな1枚です。
どの曲も個性的で素晴らしいのですが、中でも3曲目の「Truth Is Marching In」はイチオシです。

なにかを讃えるかのような神々しい導入部から、マーチ調のテーマのメロディーの美しさ。
そして、時に暴力的とさえ言えるフリー演奏が作り出すカオスの世界に、突如射し込む一条の光のように浮かび上がるテーマのメロディが再び聞こえてくるとこの上ない安らぎを感じ心が洗われる思いがします。

とにかくスピリチュアルです。
心に響きます。

初心者オススメ度 ☆☆☆☆
曲目
posted by パンチ at 12:07| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月23日

SPEAK NO EVIL/Wayne Shorter

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ウエイン・ショーターは、ジャズ史上重要なサックス奏者です。

でも、ジャズマンと言ってしまうのもなにか憚られるような感じがします(私見ですが)。
良い意味でジャズマンというよりはミュージシャン。
ミュージシャンというよりはサックス・アーティストとでも言ったほうがぴったりくるのかもしれません。

バリバリと吹きまくり音で空間を隙間なくうめていくコルトレーンのシーツ・オブ・サウンドとは対照的に、独特の間を生かした不思議感覚のフレーズを散りばめてゆき、全体として曲を完成させるショーターのアドリブの構成力はまさに天才のなせる業です。

そして、そのアドリブに時に空間的な広がり、時に鮮やかな色彩、時に神秘性な雰囲気を漂わせるところにアートを感じるのかもしれません。

あたかも真っ白なキャンバスに絵筆でもって自らの世界を表現する画家のように、曲という名のキャンバスにサックスをもってして自らのショーターワールドを表現しているのです。


本アルバムは、ジャズマンとしてのショーターの代表作とも言えるものです。
全曲彼のオリジナルですが、オススメはショーターのアドリブの魅力が十二分に満喫できる4曲目「Speak No Evil」、ひたすら美しく幻想的な5曲目「Infant Eyes」あたりでしょうか。

エルヴィン・ジョーンズのドラムスが全体の雰囲気を決定づける実にいい味を出しています。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆

曲目
posted by パンチ at 12:58| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月26日

HAWKINS! ALIVE! AT THE VILLAGE GATE/Coleman Hawkins

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このアルバム1曲目の「All The Things You Are」は、私が大好きな曲の1つです。
多くのアーテイストが演奏していますが、中でも贔屓にしているのが本作(邦題:ジェリコの戦い)のコールマン・ホーキンスの演奏です。

ホーキンスは「ジャズ・テナーの父」とも呼ばれているように、1920年代後半までは単なるリズム楽器にすぎなかったテナー・サックスを一躍ソロ楽器へと押し上げた、この楽器の第一人者です。

後々、彼の影響を受けたソニー・ロリンズらによって、テナーはモダン・ジャズにおいて欠かすことのできない楽器となるのです。

本作はそんなホーキンスの全盛期の作品とは言えませんが、ホークならではの豪快なトーン、歌心あふれるスインギーな演奏は健在で、なんといってもその曲目の良さが魅力です。

先にあげた「All The Things You Are」での溢れる歌心、「Joshua Fit The Battle of Jericho」「Mack The Knife」での自然と体が動いてしまうようなスインギーで魂のこもった演奏と正に名曲のオンパレードなのです。

また、ピアノは名手トミー・フラナガン、ベースはアルコ(弓弾)・ソロにあわせてハミングするメイジャー・ホリーと脇役もいい味をだしています。


初心者オススメ度 ☆☆☆☆
posted by パンチ at 21:45| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

SOMETHIN' ELSE/Cannonball Adderley

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私は、秋も深まるこの時期になるとこのアルバムの「Autumn Leaves(枯葉)」を聴きたくなります。マイルス・デイビスの演出する「枯葉」の世界に浸りたくなるのです。

本作は、キャノンボール・アダレイのリーダー作なのですが、本作をこれほどの名盤たらしめているのは、なんといってもトランペットのマイルス・デイビスの参加です。

マイルス・デイビスは決してテクニックのあるミュージシャンではありません。しかし、少ない音数で彼独自の世界を作り出してしまうところは、ミュージシャンというよりはむしろアーティストといった方が的確かもしれません。マイルスの作る出す音の世界に聴く者は圧倒されるのです。

特に本作1曲目「Autumn Leaves」は見事の一言です。抑制を効かせたミュート・トランペットで深まる秋の枯葉の世界を見事に表現しています。

尚、本作の内容とは別の話ではあるのですが、ひとつ残念に思うのは、アルバムの解説に書かれている「このアルバムを聴いてつまらないと思ったら、ジャズとは縁がなかったということ」という一文です。
本作がそれほど素晴らしいことを説明するための一文とは思いますが、これは言いすぎです。
こんな一文を読んでしまったがために以後ジャズは聴く必要がないと思う人がいたとしたら、それはとても残念なことです。
音楽の好き嫌いは人によって千差万別なはずです。

実際、私は初めてこのアルバムを聴いた時、さほど素晴らしいとは思わなかったのですから。


初心村オススメ度 ☆☆☆☆
posted by パンチ at 09:51| 東京 ☀| Comment(5) | TrackBack(2) | サックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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