休日の昼下がりにでもリラックスして聴いてみたいのが今回ご紹介する「JIM HALL & PAT METHENY」です。
ビル・エバンスとのコラボレーションアルバム「UNDERCURRENT」で取り上げた「ジム・ホール」と、当ブログでも何度か取り上げている「パット・メセニー」。本作は、二人のギターの名手によるデュオ作です。
1969年、当時15歳の若きパット・メセニーは、ジム・ホールの演奏を生で聴いたそうです。パット・メセニーにとって、24歳年上のジム・ホールは憧れのギタリストでした。
そして、今ではジャズ・フュージョン部門のギタリストとして押しも押されぬ第一人者となったパット・メセニーにとって、アイドルだったジム・ホールとの共演は長年の願望だったのでしょう。
本作の録音は1998年。パット・メセニー44歳、ジム・ホール68歳。
夢の叶ったパット・メセニーの喜びと、24歳も年下の天才へエールを送るジム・ホール。そして、なによりも二人のギターへの愛情が感じられる秀作が完成しました。
硬く芯のしっかりした音で凛とした強さと円熟の味わいを感じさせるジム・ホール。アコースティックとエレキを使い分け、優しく切なくエモーショナルなパット・メセニー。
それぞれが持ち味を出しつつも、時にはどちらがどちらだかわからなくなるくらい見事な調和をみせる「All the Things You Are」、滲み出るような優しさが心地よい「Farmer's Trust」、両者のからみがこの上なく美しくどこか日本のわらべ歌を思わせる「Cold Spring」、切なく幻想的な「Into the Dream」あたりがオススメですが、なんと言っても白眉は「Summertime」でしょう。
ジャカジャカかき鳴らすメセニーのアコースティックギターをバックに、ピーンと張り詰めたホールのエレキが涼やかでかっこよく、これから来るべき「Summer Time」への期待がいやがうえでも高まります。
二人を引き合わせたアッティラ・ゾラーに捧げる3曲目「The Birds and the Bees」が心に響きます。
初心者オススメ度 ☆☆☆☆☆
1.Lookin' Up [Studio Recording]
2.All the Things You Are [Live]
3.The Birds and the Bees [Live]
4.Improvisation, No.1 [Studio Recording]
5.Falling Grace [Studio Recording]
6.Ballad Z [Studio Recording]
7.Summertime [Live]
8.Farmer's Trust [Live]
9.Cold Spring [Live]
10.Improvisation, No.2 [Studio Recording]
11.Into the Dream [Studio Recording]
12.Don't Forget [From Passaggio Per Il Paradiso][Version]
13.Improvisation, No.3 [Studio Recording]
14.Waiting to Dance [Studio Recording]
15.Improvisation, No.4 [Studio Recording]
16.Improvisation, No.5 [Studio Recording]
17.All Across the City [Live]
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